(うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《うさぎ・朝のあいさつ》3月25日
おはよう。
今日のランチは、山賊焼。
キッチンで
レモンを切りながら、
コアラがため息をついた。
#ハァ
どうしたの?
レモン、目にしみた??
!!
それ、いただいたばかりの
朝採りレモンだから
きっと、新鮮すぎて
汁がとぶんだな!!
#かわろうか
コアラは首を振った。
『うさぎくんは
友達、たくさんいる?』
!!
ボク?
ボクは、
友達と呼べる友達は
少ないかな。
闇うさぎくんと…
あと、離れた場所に何匹か。
友達じゃないけど、
挨拶したり
近所でお世話になってる動物は
もう少しいるけど。
#そうかぁ
コアラはうなずいた。
『そうよね。
わたしも…
わたし、家の都合で
引っ越してここにきたの。
まあ、もともと
そんなに友達は
多い方じゃなかったけど。
引っ越す前は
仲が良い友達が2匹いてね。
しょっちゅう、遊んでたんだ。
お花見にも一緒に行ってた。
でもさ…
離れてると、
なかなか会えないじゃない。
こっちで
友達ができなくて、
寂しいなあと思ってたら…
この喫茶店に出会ったの。
ここって、
入りやすいし
行けば、誰かいるし…
毎日来てるうちに
喫茶店のみんなが
友達かなぁ
なんて、思ってたものだから…
みんな、
楽しみにしてるのにごめんね』
#コアラは
#寂しそうに笑った