(うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《うさぎ・朝のあいさつ》3月22日
おはよう。
金曜日の夕方、
パンダが声をかけてきた。
『うさぽん、日曜日空いてるか?
できれば、
協力してもらいてえことがあるんだが』
#フゥ
雨の日の洞窟温泉は
風情があって気持ちいい。
天井の小さな穴から、
雨水がじょろりじょろりと
こぼれ落ち
その水圧を肩に…
#じわわああ
#気持ち良い
『ギターが、
お花見のことで悩んでるんだと。
温泉で、のんびり温まりながら
一緒に相談、
聞いてやって欲しい』
#洞窟温泉の中で
#15時に待ち合わせな
待ち合わせの時間過ぎてるけど
そろそろかなあ…
洞窟の暗闇のなか、
ボクは、
パンダと闇うさぎくんを探した。
その時、大きな声がした。
『パンダ!出てこい!!
オレ、もう
のぼせちまうから…!!』
!!
#いたいた
#闇うさぎくんだ
ボクは、
パンダに言われたとおり
声をかけず
耳を澄まして話を聞いた。
#ザッパァア
『おめえは、お花見
どうして
さくら山の頂上でやりたいんだ??』
#ザッパァァア
『やまびこ腹話術なんて
おめえ、
どうしてやりたいんだ??』
#ザッパパァァ
『うさぽんとよく、
やまびこで会話を?
声がすごいよくとおるって、
褒めてもらった??』
#ザッパパァア
『うさぽんと前に、
さくら山にいつか一緒に
お花見に行こうって約束した??』
パンダは、お湯のなかを
もぐったり、跳びでたり
しばらく遊びながら質問を続けた。
!!!
『おい、パンダ!!
オレもう、のぼせて限界…
先にあがってっから!!』
闇うさぎくんが出て言ったあと、
パンダがボクに言った。
『オレも、のぼせたんで帰るわ。
うさぽん、ゆっくりしてってな』