(うさぎ)
第2.2章 時空のゆがみ ~うさぎたちの日記(春)~
《うさぎ・朝のあいさつ》3月16日
おはよう。
朝、お店に着くと
闇うさぎくんがカウンターに座って
めずらしく居眠りをしていた。
パンダが言うには、
闇うさぎくんとパンダの余興練習は
今日はお休みらしい。
マスターが得意気に言った。
『ボクらの余興、びっくりするグァ!
さるが来たら
すごいの見せて、ゲロゲロゲ!!』
ところが、さるが
なかなか来ない。
ぴょんこっ… ぴょんこっ…
マスターは桜の木の下を
行ったり来たりしはじめた。
『余興の練習、したいグァ…』
#ハァ
#来ないグァ
パンダが、
マスターを気にして
声をかけにいった。
#ごろごろり
マスターと2匹で
何やら話しをしているな…
しばらくすると
マスターは
桜の木の下を、
すごい勢いで走りはじめた。
~!~!~~!~~!~~~!~~~!~~~!!!
#早いっ
それからマスターは、
走りながら
舌を出しはじめた。
#シュッ
#シュッッ
しかし途中で
マスターは首をかしげ、
パンダの方に戻ってきた。
『舌を出すタイミングが、分からないゲロ…』
#ハァ
それを聞いて、
パンダは笑顔で言った。
『ボクで良ければ
小石でも投げましょうか?』
マスターの表情が、パァッと輝いた。
!!
#ごろピョイ
#ごろんピョイ
#ごろろんピョイ
!!!
#シュッ
#シュタタッ
#シュタタタッ
走りまわるマスターと並行して、
パンダは転がりながら
マスターに小石を投げつづけた。
『あいつ、気持ち悪いぐらい
いつも大人しいくせによ…
けっこう、動くと早えんだぜ!
ま、オレには負けるけど!!』
闇うさぎくんが言った。
終わったあと、パンダは
土ぼこりで真っ黒になっていた。